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2005年 11月 22日
「夢にまで見た」という表現がある。普通の使用法とはズレるような気がするが、ランサムの物語世界に夢中だったとき、実際に夢で見ていた。それほどのめりこんだ本だ。
余談で言えば、中3のころ、前回に紹介した「火星シリーズ」を友人3人が同時に読んでいて、今近所で歯科医をやっている友人が「(その世界を)夢に見たよ」と言ってたのを思い出す。そう、あの頃、誇張でも何でもなく、バロウズの本を一日2冊のペースで読んでいたのだった。 そして中学卒業間際、バロウズより面白い本はないのか、と探していたぼくの目にとまったのがランサムだった。ランサムが子どもたちに向けて書いた12冊の「ツバメ号シリーズ」は、別名「ランサムズ・サガ(英雄譚または大河小説)」と呼ばれる。この本は単行本として出されたもので、シリーズの最終巻であるのを、読み終わるまでぼくは知らなかった。 この「サガ」は一言で言えば、イングランドの子どもたちの休暇小説であり、ヨットや帆船が登場する冒険物語である。とはいえ、家族と友人と過ごす避暑地での「ごっこ遊び」(などといえば、当然、登場人物のジョンやティティは怒るだろうが)の延長の様な物語がほとんどなのだ。ただし、12巻の中に、「ヤマネコ号の冒険」と「女海賊の島」という「本格海洋冒険小説」が紛れ込んで(?)いる。そして敢えてそういう分類をすれば、このシリーズ最終巻は「日常冒険物語」と「本格冒険物語」の融合したランサムの集大成的作品になるのだろう。 ランサムの小説は、ぼくの内にある「世界」の形成にとても大きな影響を与えていると思う。そして、サガの舞台である湖水地方やノーフォーク湖沼地帯は一度も訪れたことはないが、まるで子どもの頃にすごしたふるさとであるかのように、いまもありありと目に浮かぶ。
by asadoku
| 2005-11-22 14:17
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